令和6年9月より毎週水曜日は休診となります。
この度、夕刊フジに当院の記事(https://www.zakzak.co.jp/article/20240518-PDFBVH4OD5IFHOIUFLWYCKVPTM/)が掲載されました。ご興味のいある方はご覧下さい。
この度、クリニックに隣接する駐車場を拡張しました(5台→6台)。駐車スペースはオレンジのラインで囲み、クリニック名が入り分かりやすなっています。平日の満車は殆どありませんが、土曜日や休日診療などの混雑時には満車になることもありますので、ご注意ください。
<医療情報取得加算>
オンライン資格確認を行う体制を有しています。
当院を受診された患者さんに対し、受診歴、薬剤情報、特定健診情報その他必要な診療情報を取得・活用して診療を行います。
正確な情報を取得・活用するためマイナ保険証の利用にご協力をお願いいたします。
<医療DX推進体制整備加算>
以下の医療DXを通じて質の高い医療を実施するために十分な情報を取得し、提供できる体制に取り組んでいます。
・医師がオンライン資格確認を利用して取得した診療情報等を診察室等で閲覧または活用できる体制
・マイナ保険証を利用できる体制
・電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制
・今後、電子処方箋も提供できる体制を整えます
<生活習慣病管理料>
高血圧、糖尿病、脂質異常症の疾患を有する患者さんが対象となります。それ以外の疾患を合わせて有する方は対象外となります。
病状により、28日以上の長期の投薬またはリフィル処方箋の交付が可能となります。
新型コロナウイルス感染はいまだに終息しておらず、今後も付き合って行かねばならない感染症となっています。この度当院では、ビオメリュー・ジャパン株式会社のBioFire SpotFire R パネルというPCR機器を導入しました。コロナ禍前までは、PCR検査は大きな病院も含め、殆ど検査会社に依頼していましたが、現在では院内検査体制が整ってきています。クリニックでは様々な理由により導入が難しかったですが、検査精度が高いと言う点、他の病原体も診断できるとういメリットがあり、導入することとしました。
中国や韓国を中心とした地域で薬の効かない謎の肺炎が流行し、日本でも流行の懸念があるとの報道が相次ぎました。正体はマコプラズマ肺炎の様で、マクロライドという小児で一般的に使用する抗菌薬の耐性が問題となっています。
<なぜ流行>
元来、マイコプラズマ肺炎は以前から一般的な肺炎で、若年層が中心で流行していました。以前はペニシリンが効きましたが効かなくなり、東アジアを中心とした地域で10年以上前からマクロライドにも耐性が報告されています。最近、コロナウイルス感染以外にも、RSウイルス、アデノウイルス(プール熱)、インフルエンザが通常と違う時期に流行しています。これらはコロナ禍の影響で他の感染症の目だった流行がなく、小児を中心とした年齢層に感染免疫が出来ていないことが一因と推察されます。そのため、現在流行していない日本でもマイコプラズマの流行に注意しなければなりません。
<薬が効かない?>
マイコプラズマの注意点は、潜伏期が長いため、感染を知らずに人と接触して流行が拡大することにあります(歩く肺炎とも言われます)。加えてマクロライド耐性(クラリスなど)のため、治療が遅れてしまう可能性があります。そのため、マイコプラズマ肺炎診断時にはニューキノロン系やミノサイクリン系、高用量マクロライドで対応することとなりますが、それぞれ使用しにくい点もありますので、患者さんごとの対応になると思われます。逆に成人や高齢者では感染が少ない点、特効薬のニューキノロンが使用しやすい点など余り恐れる必要はないと思われます。
<診断するには>
今でこそインフルエンザやコロナは迅速検査があり、診断がしやすくなりました。しかし、マイコプラズマの場合には一般的な迅速診断検査はなく、時間が経ってから漸く抗体が上昇して診断するというものでした。一般的にはX線検査や採血を行いインフルエンザやコロナなど、マイコプラズマに似ている病原体の感染を否定しながら予測診断を行うため、早期の確定診断は出来ません。大学病院クラスでは、LAMP法という遺伝子検査や一度に多くの病原体遺伝子をマルチで検査することありますが一般的な検査とは言えません。当院では富士フィルムドライケムIMMUNO AG2という迅速抗原検査機械を導入し、15分ほどで診断が可能です。
<結論/怖い肺炎??>
確かに乳幼児では診断が難しい、薬剤耐性など問題点はありますが、新型コロナの様に未知の感染症ではありません。成人では多く使われるニューキノロン薬が効きますので、必要以上に恐れることはないです。ただ、恐れるあまりに不適切な抗菌薬を乱用することによって新たな耐性を獲得した病原微生物が出現することは、我々医師が最も注意することだと思われます。感染対策は、今までと全く同じです。マスク、うがい、手洗い、そして良く寝ることが一番です。
今年は早くもインフルエンザ注意報が発令されています。注意報とは1医療機関で1週間のインフルエンザ発症数が10名を超えると発令となります。今年はオーストラリアで秋からインフルエンザの大きな流行があり、日本でも同様に秋から流行が始まっています(赤線)。小児を中心とした流行から成人に広がる傾向にあり、今後の拡大が危惧されます。原因はここ数年、海外からの入国者が少なかったことで流行地域からインフルエンザが持ち込まれず、小児を中心とした世代にインフルエンザに対する免疫が出来なかったことが考えられています。そのため、冬から続くインフルエンザ感染が夏にも沈静化がみられず、8月下旬から再度増加傾向を見せています。こんなことは今まで経験したことがありません。インフルエンザの発生数をみると(東京都ホームページより)、コロナ禍の3年は流行せず、それ以前は12月から流行が始まり、年末年始にインフルエンザ注意報が発令され、1月中旬から下旬にピークを迎えます。今年は異例の早さで流行しているのが分かります(2019年は秋に日本でラグビーワールドカップ開催。インフルエンザが流行している南半球の人が多く来日し、感染が早く拡大したとも言われています)。現在は既に例年の年末年始にあたるわけで、インフルエンザのワクチンを出来るだけ早く接種することが大事になります。
クリニックではインフルエンザ、コロナに関わらず、発熱者や風邪症状の方は、院外発熱スペースで先に検査を行わせて頂いております。また、院内は感染対策のため、入口や窓は常時開放のままにしております。ご理解の程お願い申し上げます。
季節は秋を迎え、今年は10月に入り1日の気温差が激しくなって来ています。この様な気候の変化は喘息を悪化させてしまう要因となります。気管支喘息は、遺伝的要素に加え、様々な環境因子が病気の発症や悪化に関わってきます。一日の気温差や気圧などの天候の変化、カゼなどの感染、花粉やホコリ、ダニなどの吸入アレルギー、運動、喫煙や香水などの刺激、体質に合わない薬服用などが増悪の主な原因となります。秋はこれらの中で、天候やアレルギーなど喘息を悪化させる要素が揃ってしまい、最も危険なシーズンなのです。また、風邪やインフルエンザは喘息をさせるので有名で、最近は新型コロナウイルス感染後の喘息も増えています。しかし、治療をやめては危険です。日本呼吸器学会でも『喘息の状態が良くても治療はやめない。緩めない。』というコメントがありました。通常のコロナ対策に加え、喘息治療の継続が新型コロナ感染対策になるということです。
気管支喘息は、長引く咳や呼吸困難など症状や発症のエピソード、過去の病気、採血、呼吸機能検査、胸部エックス線など様々な所見を総合して診断します。比較的に簡単に分かることもある一方、ゼイゼイとした典型的な症状がなく、診断が難しいことも多々あります。症状が早朝や夜間にあり、日中はあまり症状が出ないことも多いからです。
咳が中心の咳喘息はゼイゼイした聴診所見がなくさらに難解です。当院では、このような患者さんの診断に有効な呼気一酸化窒素ガス分析検査を導入して診療しています(現在は、コロナ感染が疑われる患者さんには行っておりません)。この検査は、6-10秒の息をはくだけで検査が終わるもので、今まで呼吸機能検査が出来なかった小さなお子様やお年寄りでも簡単に出来るのが特徴です。ただし、評価が難しいこともあり、我々の所属する日本呼吸器学会や日本アレルギー学会でも、慎重な判断をする様、勧告が出ているのも事実です。以前、この検査法を確立したスウェーデンで最大の研究教育機関であるカロリンスカ研究所(医科大学)のグスタフソン教授とお話させて頂く機会があり、普段疑問に思っていることをたくさん質問させて頂きました。
長引く頑固な咳や夜も眠れない強い咳は喘息かもしれません。お困りの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談下さい。
5月8日より新型コロナウイルス感染症が2類から5類に移行します。2類時と異なる点は、新型コロナウイルス感染されている方を隔離しなくて良く、一般の患者さんと一緒に院内で診療することができる様になります。新型コロナウイルス感染症は、まだ感染力が強く、インフルエンザより重症化率は高いのが現状です。当院では、感染に弱い高齢者や乳児、基礎疾患のある方、宅酸素療法の患者さん、妊婦の方も多く来院されます。発熱や風邪症状の方は、もうしばらく発熱外来での診療とさせて頂きます。検査陰性が確認されましたら、院内での診療とさせて頂きます。
今まで公費負担となっていました新型コロナウイルス迅速抗原検査、迅速核酸検査、PCR検査は保険での診療となり、18歳以上の方(高校卒業後)には検査にてご負担が発生します。また、マスクの着用もお願いしております。
ご理解とご協力の程、何卒お願い申し上げます。
当院でもマンナンバー保険証の利用が可能となりました。ご本人認証はカードの他に、顔認証(マスクや帽子があっても可能)や4桁の暗証番号でも認証が可能です。カードを読み取った後、薬剤情報、特定健診情報利用するかどうかを選んで頂きます。現在のところ、情報がまだ反映されていないことが多々ありますので、お薬手帳や必要に応じて特定健診情報はお持ちいただく様、お願い致します。
新型コロナウイルス感染は収束の兆しはいまだに不透明ですが、今年も花粉の季節がやって参りました。昨年のスギ花粉飛散はやや多かったですが、今年は昨年の2.7倍、過去4番目の大量飛散と予想されています。クリニックでも徐々に患者さんが多くなって来ていおり、しっかりした対策が必要です。
花粉症の症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが中心ですが、皮膚のかゆみや、咳などを起こす患者さんもいます。これら症状が新型コロナ感染の症状に似ているばかりか、花粉症の症状が悪化しますと、鼻や目を触ったり、鼻づまりで口を開けて寝てしまうことなど、新型コロナ感染のリスクも増やしてしまう可能性があります。また、現在のオミクロン株感染と似ている症状もあり、今年は『早めで長め』の対策が必要と思われます。
これら花粉症の治療は眠気を抑えた『第2世代抗ヒスタミン薬』が中心となりますが、効かない場合にはその他の飲み薬や点眼、点鼻薬、 注射薬が加わります。花粉症が悪化しますと、集中力を欠いて仕事や勉強の効率が落ちるため、きちんと治療をすることをお勧めします。また、鼻閉の対策は特に重要です。花粉症の薬は以前より良い薬や種類が増えて来ました。私自身も長年花粉症に悩まされ、誰よりもスギ花粉症の患者さんの気持ちがわかるアレルギー内科専門医として、本やネットにはない適切なアドバイスをさせて頂けると思います。是非ご相談下さい。
なお、スギ花粉舌下免疫療法は花粉飛散が終了する5-6月まで、お休みです。詳しくは『お知らせ』のにあります『新しいスギ花粉症治療 -舌下免疫療法-』をご覧下さい。
10月1日からインフルエンザ接種を開始しています。今年はオーストラリアで大流行し、海外からの渡航制限が解除され集団免疫の低下なども相まって、3年ぶりの流行が危惧されます。新型コロナ第8波とインフルエンザの流行が重なれば、医療機関を始め、社会が混乱することが考えられます。ワクチン接種とコロナと同様な感染対策を継続することが望まれます。13歳未満のお子様は2回接種になりますので、早めの接種をお勧めいたします。
今年のワクチンはビクトリアA型(H1N1)、2009年ダーウィンA型(H3N2)、B型2種類を組み合わせた4価(4種混合)ワクチンです(インフルエンザは様々な型があり、変異もするため実際に合っていたかは春にならないと分かりません)。今年はリスクの高い65歳以上の方は無料となっています。65歳未満の方や若い方でも仕事に支障が出ない様、インフルエンザワクチンの接種をお勧めします。当院IDのある方は、ネットにて『通常診療予約』以外に『インフルエンザワクチン予約』が可能です。このワクチン予約では、薬の処方などは出来ませんので、ご注意下さい。
また、65歳以上の方、持病をお持ちの方は、肺炎球菌ワクチンも接種して下さい。本ページの『肺炎球菌感染症とワクチン(ニューモバックスとプレベナー13)のお話』にもコメントしてあります。こちらもご覧下さい。
6月で武田内科小児科クリニックはおかげ様で改装10周年を迎えることが出来ました。皆様のご支援あってのことと存じます。この10年で医療環境は目まぐるしく変化しています。特に新型コロナ感染パンデミック以降は、院内消毒、換気、発熱外来スペース確保などによる感染対策には特に力を入れて参りました。また、新型コロナウイルス核酸検査機器を2台導入(リアルタイムPCRに近い遺伝子検査)、発熱スペースのパーテーションも増設し、安全でスピーディーに診断できる体制も整えて参ります。引き続き、皆様のご期待に添える様、スタッフ一同努力して参ります。
10年周年にあたり画像診断システムを高解像度、高品質画像であるデジタルX線検査(DR/Digital Radiography/デジタル・ラジオグラフィ)に変更し、さらにAIを導入することで、より良い診療を行ってまいります。
開院以来、癒しの空間の創造も大切な要素と考えております。10周年にあたり、省エネルギーにも配慮し院内外照明のLED化を予定しており、室内や庭園、外観の照明の明るさや色を時間や季節に合わせ変化させることが出来ます(桜はピンク、新緑は緑、夏は青、紅葉やクリスマスは赤、夕刻は茜色など)。また、庭園では定期的に日中は涼を演出する降雨、ミストを行っていますが、夜間には雲海のごとく霧が発生する様に準備中です。
これからも診療の充実と心の癒しの融合を目指し、地域の皆様に愛され、信頼頂けるクリニックを目指して参ります。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
|
|
新型コロナワクチン2回接種も進んでいますが、2回目接種後の感染(ブレイクスルー感染)も報告され、今後は3回目の接種や5-11歳のお子様への接種が検討さています。
我々人間は様々な感染症に対する抗体を、自然感染やワクチン接種で獲得しています。感染した場合はしっかりした免疫を獲得し、ワクチンでは徐々に効果が落ちてゆきます。これら抗体産生能力は、その後に病原体が再度入り込むことにより、症状を起こすことなく、免疫状態が維持されます(ブースター効果)。現在の新型コロナウイルス感染も同様なことが言われており、免疫がある状態では無症状か軽い症状で済んでしまうことが多いと言われています。そのため、感染には気づかず、他の人へ感染が広がることが懸念されています。
新型コロナウイルス感染を発症予防には、ウイルスとの接触の可能性を極力減らすことや、自分自身の体力を維持するために無理をしないこと、持病のコントロールが重要になってきます。様々な報告からしますと、ワクチンによる(中和)抗体は2回目接種後2週間で充分量に達するのが一般的で、徐々に低下していきます。そのため、感染を防ぐには接種後6ヶ月から12ヶ月程度で再接種が望ましいと言われていますが、接種後長く高い抗体値が続く人や全く抗体が上がらない人もいます。当院ではアボット社の以下2種類抗体検査を自費にて行っています(一般的にはIgG抗体(S)のみ検査)。この抗体定量検査は迅速定性抗体検査と異なり、結果に3日ほど掛かりますが、精度は高いものとなります。ご自身の状態を知りたい方は、抗体検査をすることをお勧めしますのでご相談下さい。
★ 新型コロナウイルスIgG抗体(N)
過去の感染のみが分かる検査 税込6.000円
★ 新型コロナウイルスIgG抗体(S)
ワクチン効果+過去の感染による中和抗体合算が分かる検査 税込6.000円
★ 新型コロナウイルスIgG抗体(S)+ 新型コロナウイルスIgG抗体(N) 税込11.000円
*11月19日より、値下げをしました。
新型コロナ感染の拡大が続く中、最近はワクチン接種が出来ていない小児とご家族の感染例が増えていおり、切実な問題です。一方、感染の報告はあるものの、2回接種後の感染は当院では幸いみられていません。過信は禁物ですが、ワクチンの感染予防効果、重症化予防効果は高いと思われます。現在、荒川区集団接種(モデルナ製)は翌日に接種可能で、当院(ファイザー製)は9月上旬に接種出来ます(ネット予約になります)。まずは、感染予防とともに出来るだけ早期にワクチンを接種し、ご家族でコロナ感染の予防をしましょう。
この様な状況で、当院もここ1週間は日本テレビ『NEWS ZERO』テレビ朝日『サンデーステーション』TBS『NEWS23』『Nスタ』フジテレビ『Live News イット!』で、小児感染を中心に副院長が取材に協力させて頂きました。以下、放送予定です。ご興味がある方はご覧ください。
8月29日(日曜日) TBS『サンデーモーニング』 8時 - 9時54分
8月31日(火曜日) TBSテレビ『Nスタ』18時台
8月31日(火曜日) BSフジ『プライムニュース』20時- 21時55分 副院長リモート出演予定
現在、当院ではファイザー製ワクチン個別接種を12歳以上の方にネットによるワクチン接種予約を行っています(ワクチン不足のため、当院診察券をお持ちの方に限定)。体調不良などやご都合で直前にキャンセルされる方は、お手数ですが早めのお電話をお願い致します。2回目の予約は1回目接種後にクリニックで行います。荒川区の集団接種(モデルナ製)は翌日から予約可能です。早めの接種をお勧めします。
新型コロナウイルスは拡大の一途をたどり、収束の気配がありません。東京都では、発熱患者さんは『東京都発熱相談センター 03-5320-4592』に連絡するか、かかりつけ医に相談することとなっています。当院、かかりつけ患者さんで、『発熱やだるさ、匂いがしない、食事の味が違う』などの症状がある方は、ネット予約や直接来院をせず、お電話をお願い致します。スタッフより診療時間の指定をさせて頂きます。また、来院時もインターフォンでお知らせください。病状に応じて、必要に応じて新型コロナウイルスPCR検査、抗原検査を行います(診察料、隔離のトリアージは保険診療となりますが、PCRや抗原検査費は公費となります)。
当院の感染対策としては、入口で看護師の問診、検温、アルコール消毒を行い、院内は常に換気を行っております。定期的消毒を徹底し、空気清浄機、加湿器は全て新調し、炭酸ガス濃度測定で常に換気状態を監視しております。東京都、荒川区の補助で院内モニターや非接触型通話システム導入や、駐輪場での発熱者専用診察ブースも確保しました。一般の患者さんと全く接触がない様、細心の注意をはらい診療しております。ご理解とご協力をお願い申し上げます。
新型コロナウイルス感染は、引き続き収束がみられておりません。来院の際はマスク着用をお願い申し上げます。また、予約時間より早めの来院や予約外の場合、院外でお待ち頂くことがございます。皆様のご理解とご協力、何卒宜しくお願い致します。
当院では新型コロナウイルス感染症検査は行えません。来院されましても、一旦ご帰宅をお願いする場合があります。『息苦しさ』『だるさ』『高熱』がある方、風邪症状が続く方は、新型コロナ受付相談窓口(荒川区保健所3802-4243あるいは在住各保健所、夜間と休日は03-5320-4592)へお問い合わせ頂く様、お願い申し上げます。
上記症状のあるかかりつけの患者様におかれましては、ネット予約でなく、電話でのお問合せをお願い致します。当院では、感染防止に関して、受付前の検温、随時換気(入り口に網戸を設置しました)、定期的な院内アルコール消毒、待合室のソーシャルディスタンス保持、スタッフマスク着用、予約診療、発熱者の時差診療、隔離診察などの対策を行っております。
また、発熱のある方は来院時は直接入らず、クリニック入口のインターフォンを鳴らしてお知らせください。幸い当院かかりつけ患者様、スタッフからの感染者は発生しておりませんが、医療崩壊を防ぐべく感染対策をさらに強化し、スタッフ一同、地域医療に貢献して行く所存であります。
荒川区では東京女子医大東医療センターに続き、6月4日より荒川区医師会主体で新型コロナPCR検査(かかりつけ医からの完全予約制)が可能となっております。皆様におかれましては、高血圧、糖尿病、呼吸器疾患などの管理が重要になっております。常用薬は欠かさず服用し、マスク着用、3密回避など、引き続きご注意下さい。
風疹流行に伴い、当院でも男性を中心に風疹ワクチンの問い合わせが増えて来ています。妊婦が風疹に感染すると先天性風疹症候群と言われる胎児への影響が懸念され、家族内感染(夫→妻)を心配されています。
日本での風疹ワクチンは1977年8月から1995年3月まで女子中学生にのみ接種され、男性には接種されていませんでした。また、自分が風疹ワクチンを接種したのか、感染したかの記憶は不確かなことも多いため、抗体検査が最もよいと言われています。
この様な状況より昭和47年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性の方は、平成31年度(令和元年度)厚労省の政策として、お住まいの市区町村から、風しん抗体検査と予防接種のクーポン券が発送され、当院でも多くの患者さんが抗体検査とワクチン接種を行なっています。
また、東京都の意向に沿った形で各自治体ではワクチンの助成制度が行われています。荒川区でも従来通り、19歳以上の風疹抗体検査および風疹ワクチンの助成を行っています。詳細は以下の通りです(荒川区ホームページ)。ご希望の方は、ご遠慮なくご相談下さい。
1)抗体検査
19歳以上の方で、
1. 妊娠希望の女性および同居者で荒川区内にお住まいの方
2. 風疹抗体価が低いと確認された妊婦の同居者で区内に住所を有する者
ただし、風疹抗体検査を受けたことのある方、明らかに風疹予防接種歴のある方、検査で風疹と診断されたことのある方は除きます。
(2)風疹ワクチン接種
風疹の抗体検査で、風疹抗体価が不十分と判断された19歳以上の方で、
1. 妊娠希望の女性および同居者で荒川区内にお住まいの方
2. 風疹抗体価が低いと確認された妊婦の同居者で区内に住所を有する者
ただし、明らかに風疹予防接種歴のある方、検査で風疹診断されたことのある方は除きます。
秋になりマイコプラズマ肺炎の患者さんが若年層を中心に増えて来ました。マイコプラズマは乾いた咳や発熱を来す疾患で、喘息を引き起こしたり、長引く咳の原因になることもあります。マイコプラズマ肺炎は肺炎球菌など他の肺炎と治療方針が異なることや、多くが薬剤耐性菌であることより、早期の診断は大変重要になります。
マイコプラズマの診断は従来、症状やX線所見に加え、採血での抗体上昇が標準とされて来ましたが、インフルエンザ検査の様にすぐに結果が分からず数日かかることや、大事な感染初期には陽性にならないことが懸案となっていました。その後、15分でわかる迅速抗体検査や抗原検査が登場して期待をされましたがいずれも精度に問題があり、私ども呼吸器感染症専門医の間での信頼度は両検査ともあまり高いものではありません。最近は3時間程で分かるLAMP法という遺伝子検査が信頼性が高いということになりつつありました。しかし、検査には大変手間がかかり大きな病院も殆ど行われておらず、検査会社に依頼しても数日時間がかかるため、実際の臨床の場で有用な検査とは言いがたいのが現状でした。富士フィルム社の迅速検査はこの悩みを解消してくれるかもしれません。この検査は当院でも導入した富士フィルム社の高感度インフルエンザ迅速診断システム富士ドライケム IMMUNO AG1を利用した検査です。インフルエンザ検査同様、富士フィルムのフイルム現像(銀塩)技術を利用したもので、高感度かつ15分で迅速というのがポイントです。当院で導入後に行った検査でも陽性率は今までの検査と比較しても格段に高い結果が得られています。最近、種々の検証でも予想通り、高い評価を受けています。簡便さ精度の点で比較にならない程良いと思われ、『マイコプラズマ診療の革命』と言っても過言でないでしょう。長年、肺炎を専門として診療して来た立場からは、遂に新時代到来といった実感です。
つらい咳と発熱のある方は是非、ご相談下さい。
冬は肺炎の季節です。予防を行いましょう。
<肺炎球菌とは?>
肺炎による死亡は高齢者で近年増加傾向にあり、2011年には脳血管疾患を抜いて日本人死亡の3位になりました。肺炎の原因菌のトップは肺炎球菌です。肺炎球菌による肺炎は他の菌に比べ、重症化することが特徴で、高齢者にとっては驚異です。その昔、スペインかぜ(インフルエンザ)の大流行で亡くなられた90%以上の方が、インフルエンザで弱った体に肺炎が併発していたとも言われ、肺炎球菌が強く関与していたものと思われます。また、乳幼児では肺炎球菌による髄膜炎が問題となっています。抗菌薬全盛の時代ですが、まだまだ肺炎球菌は我々人類にとって克服出来ない難敵なのです。
<肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)の公費助成の変更とワクチンの効果について>
恐ろしい肺炎球菌による肺炎から守ってくれるのが、肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)です。対象は65歳以上の方ですが、慢性の呼吸器疾患や糖尿病の他、心疾患や免疫の低下のある患者さんでは65歳未満の方でも接種が推奨されています。肺炎球菌ワクチンは一度接種すると5年間効果が持続しますが、免疫の低下があるため5年後に再接種します。このワクチンを接種すると、必ず肺炎にならない訳ではありませんが、肺炎球菌性肺炎の感染率の低下や肺炎の重症化を防ぐ効果があると言われ、特にインフルエンザワクチン接種との併用が有効と言われています。肺炎球菌ワクチンの歴史は比較的古く、我々呼吸器科医は以前より使用していましたが、認知度は医師の間でも低い存在でした。近年、定期接種が始まり、接種率も高くなって来ましたが、まだ行き渡っていません。公費対象は65歳、70歳、75歳、80歳、85歳と5歳おきになりますが、未接種の方は対象年齢でなくても接種をお勧めします。是非、接種して下さい。
<新しい肺炎球菌ワクチン(プレベナー7、プレベナー13)について>
2010年からは小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナーPPV7/7種類の肺炎球菌に対する効果がある)も導入され、肺炎球菌による乳幼児の恐ろしい髄膜炎が減って、同居の高齢者の肺炎球菌保菌率も下がり、結果的に高齢者肺炎が減少する効果も確認されています。さらに平成25年11月より、海外で使用されている13種類の肺炎球菌に対する効果のある新しい肺炎球菌ワクチンPPV13(プレベナー13)が2ヶ月〜6歳で認可され、以前より予告していました65歳以上の方も平成26年6月に認可されました。プレベナー13はT細胞という細胞で記憶されるため、従来の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)より抗体産生が強力で、効果も長く続きます。米国では高齢者全員に両ワクチンの接種、欧州では病気になりやすい方のみプレベナーを接種が一般的になり、日本の学会でも平成27年1月に接種推奨案が提示されました。当院では患者さんと相談し、既に多くの方が2つのワクチン接種を行っています。2つのワクチンを接種するタイミングは接種歴によって異なります。ご希望の方は、お気軽にお尋ね下さい。
<肺炎球菌性肺炎の診断と治療について>
咳や痰、高熱が特徴ですが、高齢者の方では典型的な症状を欠くこともあり、注意が必要です。肺炎球菌性肺炎の診断には、採血、エックス線撮影のほか、痰による菌同定検査、薬剤感受性試験のほか、痰や尿で15分で出来る迅速検査があります。治療に関しては耐性菌が多く、早期に発見し、耐性菌に配慮した薬剤選択が重要です。ご心配なことがございましたら、何なりとご相談下さい。
スギ花粉症に対する舌下免疫療法に続いて、通年のダニアレルギーに対する舌下免疫療法も当院で治療が出来る様になりました。
また、呼吸不全の方は、低酸素以外に二酸化炭素が高くなる高炭酸ガス血症も問題になります。検査は動脈血を採取して院外で測定していましたが、時間がかかり痛みもあること、突然の呼吸不全には対応出来ないなど、問題がありました。当院では簡単に呼吸で判断する『カプノメーター』を導入し、主に在宅酸素の方や、COPD、喘息の方に測定をしています。
こどもの目は、新生児の時はボンヤリとしか見えていませんが、小学校に入る頃には大人と同じ視力になると言われています。しかし、近視、遠視、乱視、斜視などがあると、視力が発達せず、弱視になってしまうことがあります。ところが、小さなお子様は一般の視力検査は出来ず、症状を訴えることも出来ません。気づいた時には進行してしまっている可能性もあります。適切な治療を行えば将来の弱視を予防できますでの、早期発見は大変重要です。
当院では、米国製のウェルチ・アレン スポット ビジョンスクリーナーVS100という視力検査機器を導入しております。ビジョンスクリーナーは、まだ視力検査のできない6ヶ月の乳幼児からでも行うことができます。写真の様に測定器を注視できれば、わずか1秒で検査は終わります。点眼薬などを使う必要もありません。ご希望の方はお気軽にご相談下さい。
1月13日18時〜18時30分放送の東京MXテレビ放送のTOKYO MX NEWSでノロウイルスに関し、副院長がコメントします。ご興味ある方はご覧下さい。
TBSラジオ系にて放送の『明日も元気!』/12月26日(月)〜12月30日(金)15時43分〜 にて院長がコメンテーターで出演します。テーマは『長引く咳にご注意を』です。インターネットやスマホでも試聴出来ます。 ご興味のある方はお聞き下さい。
今年はノロウイルスを中心とした感染性胃腸炎が大流行し、クリニックにも多くの患者さんが来院しています。ノロウイルスはインフルエンザなどと異なり特効薬がなく、うがいや手洗いによる予防が大切です。ノロウイルスは感染力がとても強い上、アルコール消毒では効かず塩素系消毒薬しか効きません。しかし、塩素系消毒液は手洗いには使えないため、流水による20-30秒の入念な手洗いしか手だてはありません。今回、TBS系ニュース23でノロウイルス感染症の注意点に関し副院長がコメントしました。日頃の体調管理も重要となりますので、無理は禁物です。
また、インフルエンザ患者さんも増加傾向にあります。今年は例年にない早い流行が特徴です。ノロウイルス同様、うがい、手洗い、体調管理が重要となります。また、タミフルを始め有効な薬がありますので、発熱や悪寒などがある場合は早めに受診して下さい。当院では感染予防の観点よりインフルエンザ疑いの患者さんは別室にご案内しています。診療順も状態によって前後致しますので、ご理解の程、宜しくお願いします。
政府は4月1日、抗菌薬が効かなくなる薬剤耐性菌の拡大を防ぐため、『抗菌薬の使用量を2020年度に現在の3分の2へと減らす数値目標を盛り込んだ抗菌薬の乱用防止のためガイドラインを策定し、カゼの一種である急性上気道感染症の外来患者に対する抗菌薬処方の規制も検討する』との報告をしました。日本感染症学会をはじめ、我々感染症専門医の間では以前より、抗菌薬の適正使用が重要として来ました。これは医療現場での薬剤耐性菌や医療費増加の問題のほか、将来的に新しい抗菌薬開発が行き詰まっていることも、大きな懸念材料になっています。
カゼの原因微生物のほとんどはライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスといった聞き慣れないウイルスです。タミフルをはじめ、きちんと診断出来て、抗ウイルス薬のあるインフルエンザを除き、カゼの原因となるウイルスを治療する抗ウイルス薬は残念ながらありません。ここに細菌(肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、大腸菌など)感染用の抗菌薬を投与しても全く効くことはありません。医師はこのことを患者さんに説明する義務があるほか、患者さんも医師にカゼの際に抗菌薬を求めないことが重要になります。『抗菌薬をよく出してくれる医師=良い医師』ということは成り立ちません。
政府は一般市民に対しては「風邪の多くには抗菌薬は有効ではなく、必要以上に抗生物質の処方を医師に求めない」ことの普及啓発を行い、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でも、各国に取り組みを呼びかける方針です。 当院では以前より、カゼの発熱には抗菌薬投与はしておりません。適正な診療(ドロドロの痰や喉の溶連菌感染兆候、血尿や濁った尿などでは抗菌薬検討)と検査(原則として血液、尿に好中球という白血球の増多=膿 がみられない場合は抗菌薬投与が不要なことが多い。各種迅速検査結果も参考にする)をもとに、不必要な抗菌薬処方を行わない様、努めて来ました。ご理解とご協力、何卒お願い申し上げます。
暖冬の今年も漸く寒さが厳しくなり、インフルエンザ流行の兆しが徐々に見えてきました。1月22日(金)テレビ朝日系16時53分~19時放送のスーパーJチャンネルで院長がインフルエンザについてコメントする予定です。ご興味のある方は、ご覧下さい。
秋も深まり、インフルエンザの季節が近づいてまいりました。まずは早めのワクチンが大切です。今年はB型インフルエンザの種類がひとつ増えて、4種類(A型2種B型2種)のインフルエンザに対応できるようになりました。ワクチン接種から抗体獲得まで3~4週を要します。昨年の流行は12月中旬からでしたので、早めの接種をお勧めします。そのほか、マスク着用や体調管理も感染予防に役立ちます。青春出版社月刊BIG tomorrow12月号で、『この冬のインフルエンザ対策』について院長がコメントしています。ご興味のある方はご一読下さい。
TVのCMでも度々目にする禁煙補助薬のお話です。たばこは癌や脳卒中、心筋梗塞、高血圧、気管支喘息など様々な疾患発症のリスクとなります。たばこの値上げもあり、禁煙への関心は高まる一方です。
現在、禁煙補助薬として最も使用されているのは内服薬のチャンピックスです。ガムやパッチでニコチンを体内に入れる方法ではないため、成功率が高くなっています。この治療薬は自費の場合6万円程度ですが、3割負担の方では薬を含めた約3ヵ月の自己負担の合計が約17,000円程度となります。
当院でも、呼吸器や循環器疾患やガンなど多くの疾患に悪影響を与える喫煙を問題視し、禁煙を勧めています。また、本年1月には東京東地区を対象とした『東京女子医科大学東医療センター 城東地区医療連携フォーラム』で『喫煙と感染症』を題材とした特別講演を行わせて頂きました。また、先日は禁煙CMでお馴染みの霧ヶ丘つだ病院院長/久留米大学医学部臨床教授 津田 徹先生の禁煙に関する講演の座長をさせて頂きました。今後も内外で禁煙に積極的に取り組んで参ります。禁煙にご興味のある方、是非、ご相談下さい。
3月より超音波診断装置(エコー)を新規導入しました。東芝一般医療向けのハイエンドモデルAplio™ 300 Platinum Seriesという機種で、当院が国内で始めて大型19インチモニタを搭載した特別仕様となります。
以前の機種に比べ画像解析レベルが飛躍的に進歩し、悪性腫瘍を始めとした腹部疾患や心臓疾患、甲状腺、各種血管病変をより詳細に診断出来ます。元東京慈恵会医科大学超音波診断室検査技師により隔週で予約検査を行っており、結果は動画も含め診察室のモニタでご覧頂きます。緊急時は随時検査を行いますので、お気軽に相談して下さい。
寒さが日一日と増してまいりました。小児科ではRSウイルス感染が流行していますが、これからはインフルエンザの流行に備えなくてはなりません。早めのワクチン接種をお勧めします。
一方、咳の長引く患者さんも秋以降、多くなっています。長引く咳は、感染後に継続する感染後咳嗽。ゼイゼイする気管支喘息。ゼイゼイがなく、乾性咳嗽が継続する咳喘息、鼻水が喉に落ちる後鼻漏、胃液が逆流してしまう逆流性食道炎など様々です。
呼吸器科で診療すれば多くの咳は診断、治療が可能です。是非、ご相談下さい。また、『へるすあっぷ21(法研社刊)』12月号で院長が監修した「『長引く咳』にご用心」(P46〜p53)が掲載されました。ご興味のある方はご覧下さい。
8月下旬から急に秋の足音が近づいて来ましが、巷ではデング熱の話題で持ち切りです。毎年東南アジアの帰国者を中心に海外で感染して、国内で発症する患者さんが確認されていましたが、今回は70年振りに国内で感染して発症しました。デング熱は、ウイルスに感染した蚊に刺されることで発症し、高熱や頭痛、筋肉痛、関節痛を来す病気ですが、全く症状の出ない不顕性感染者も半数以上いると考えられ、現在発表されている感染者数より多くの感染者がいると予想されています。また、重症化すると出血を起こし、命に関わることもあります(デング出血熱)。重症化するのは今まで4つある型(1-4型)のうちいずれかに感染し、さらに別のタイプに感染したときにデング出血熱を発症することがあると言われていますので、現在の1型しか流行していない日本では、重症化の可能性は極めて低いと思われます。デング熱の診断は、38度以上の高熱や頭痛、嘔気、発疹、出血などに加え、採血にて血小板数や白血球数の減少を参考に診断していきます。今回は流行している代々木公園や新宿中央公園などの訪問歴も重要になります。最終的には診断は遺伝子や抗体検査で診断をしますが、大学病院も含めた多くの一般の医療施設では検査は出来ず、所轄の保健所を通して検査して最終診断をすることとなります。
デング熱は日本人にとっては殆ど未知の感染症ですが、必要以上に恐れることはないと思います。カンボジアの病院に視察に行った際、デング熱は予防が出来ないため、医療従事者でも感染があると現地のスタッフが言っていました。最大の問題は、カンボジアでは病気のときに病院に行く習慣がなく、折角日本が医療援助をしても手遅れになる人たちが多いというのが、印象に残りました。感染症で最も大切なことは、相手を良く理解し冷静に対応することです。日本ではまだ地域が限定されています。まずは流行地に行かず、蚊に刺されないように工夫し、万が一の時は医療機関に相談することをお勧めします。
9月8日(月)朝8時よりTBS系で放送される『いっぷく!』で、院長がデング熱についてコメントする予定です。ご興味がある方は、ご覧下さい。
花粉症や通年性アレルギー性鼻炎は全身症状が少なく、内服や点鼻薬でコントロールが可能ですが、アレルギーは時として、生命の危機が迫るアナフィラキシーという状態になります。ハチに刺された後に起こるアナフラキシーは有名ですが、ピーナッツや甲殻類、卵、乳製品、小麦、そばなどの食品で来す食物アレルギーも重要です。食物アレルギーの症状は部分的なじん麻疹から全身のはれや口腔内症状、のどのはれによる呼吸困難、そして血圧が低下して意識障害を来すアナフィラキシーなど様々です。アナフラキシーは急速に発症することが多く、救急車でも間に合わないこともあります。そこで、その様な危険な状態になりやすい患者さんは、その場で対処する薬が必要となります。それが、『エピペン』の自己注射です。エピペンはアナフィラキシーショックの特効薬であるエピネフリンというもので、即座に心臓の動きを良くしたり、血圧を上げたりする効果あり、何とかその場をしのいで医療機関に到着する時間を稼いでくれます。注射は小学生でも出来る簡単なものですが、処方には登録医の説明が必要となります。
この度、当院でもエピペンの処方が出来る様になりました。お気軽にお尋ね下さい。
夏風邪とは、夏期に流行する風邪のことで、咽頭結膜熱(プール熱)、手足口病、ヘルパンギーナが有名です。すでに今年もプール熱の流行が始まっており、来院する患者さんが増えています。いずれも乳幼児を中心に流行しますが、成人が感染すると小児より重症化することがあり、ペットボトルの回し飲みやタオルの共有を避けるなどして家族内感染を防ぐ必要があります。
6月19日発売の女性セブン25号(7月3日号)、6月24日発売のサンデー毎日7月6日増大号では、副院長が夏風邪に関してコメントしています。ご興味にある方は、ご覧下さい。
麻疹(はしか)の流行拡大が、問題となっています。麻疹は年々減少していましたが、今年はフィリピンなど海外帰国者から感染が拡大してしまい、一転して患者の増加がみられています。現在の感染者はワクチン接種していない若年層が中心です。麻疹の感染経路は空気感染で『目があったら感染する』などの話があるくらい、感染力が強い病気です。ワクチン接種2回行うことになっていますが、接種していない方、1回のみの接種の方は、ワクチン接種されることをお勧め致します。荒川区でも2-18歳を対象とした助成制度があります。ご不明な点はご相談下さい。
4月18日のテレビ朝日系『グッドモーニング』で副院長が麻疹についてコメントする予定です。ご興味のある方は、ご覧下さい。
昨年12月に待望の呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)測定が保健適応になり、当院でも2月18日より測定が可能となりました。検査は検査モニターかタブレット端末画面に浮かんだ雲や風船をみならゲーム感覚で機械に息を吹きかけ、10秒間(小児は6秒間)ほど浮かせていれば終わります。
呼気中の一酸化窒素濃度が高い場合、気管支など末梢気道での好酸球浸潤(アレルギー性炎症)があることを意味し、気管支喘息の可能性が高くなります。今までは、問診や診察、胸部X線、呼吸機能検査、採血、治療の反応などで総合的に気管支喘息や咳喘息の診断をして来ましたが、診断に迷うことも多々ありました。特に小児では、呼吸機能検査が出来ないこともあり、本機の導入で診断の困難な小児喘息の患者さんでも診断が可能になります。また、喘鳴(喘息特有のゼイゼイ音)がなく呼吸機能検査や胸部エックス線が正常な『長引く咳』に対する鑑別診断の向上も期待出来ます。さらに、治療によって値が低下することも知られ、気管支喘息治療薬の増減にも役に立ちます。
また、喫煙が多くなるとCOPD(肺気腫•慢性気管支炎)と呼ばれる気管支喘息とよく似た病気になりますが、COPDに気管支喘息を合併する方も多いため、両者の判別に苦慮し、治療の選択に悩むことも多々ありました。しかし、COPDの患者さんで一酸化窒素濃度が高ければ、COPDの治療に加え、喘息の治療(吸入ステロイド)を併用することによって、さらに的確な治療を進めて行くことが出来ます。
現時点で本検査は明確な判断基準は確立されておらず、学会でも『十分な経験と知識を持った医師(日本呼吸器学会、アレルギー学会専門医等)が、対象となる患者の臨床症状や検査所見の情報を見極めた上で、好酸球性炎症の程度を推定するためにFeNO測定値を補助的な指標として用いるべき』とコメントにあるように、当院でも総合判断の一つと位置づけていますが、有用な検査であることに違いはありません。気管支喘息や長引く咳でお困りの方、是非ご相談下さい。
12月21日付の日経新聞に掲載されたコラム『あなたの咳、大丈夫? 長引く場合は要注意 』にて院長のコメントが紹介されました。長引く咳は様々な疾患が想定され、疾患別に分かりやすく解説してあります。ご興味のある方は、ご覧下さい。
気温が低下し乾燥してくるとウイルス感染が流行します。この時期は体力が低下したり、気道 の表面が障害を受けやすくなるため、感染を起こしやすくなり、加えてインフルエンザに代表される冬のウイルスは乾燥で伝播しやすくなるため、流行が顕著となります。うがいや手洗いのほか、体力維持にも気をつけて下さい。
10月28日(月)のTBS系で放送される『はなまるマーケット』の★コレ知ってQのコーナーでは、お天気キャスターの森田正光さんが天気とカゼについて解説し、院長がコメントする予定です。ご興味のある方は、ご覧下さい。
マイコプラズマ感染症診断に朗報です!昨年、一昨年と猛威を振るったマイコプラズマ感染は、軽いのどの炎症から重症な肺炎まで起こしますが、他の病原微生物と異なり、病原体としての強さはさほどありません。問題は患者さんの体質によって肺炎や喘息など症状が変化することと、急速に広がる耐性株(薬剤が効きづらい)への対応です。また、発症までの潜伏期も長く、周囲に感染が広がってしまいますが、マイコプラズマ感染症の診断は、今までインフルエンザの様に精度の高い簡単な検査はありませんのでした。しかし、今年の夏より遂にマイコプラズマそのものをみる抗原検査が出来る様になりました。従来の抗体検査に比べ精度の向上が期待出来ます。幸い今年はまだマイコプラズマ感染症の流行はありません(右グラフの太赤線)が、流行時には威力を発揮することが予想されます。備えあれば憂いなしです。
さらに難解なのがクラミジア肺炎です。当院では昨年より、全肺炎の10%をしめるクラミジア肺炎の診断に有用な次世代迅速検査の調査にエントリーしており、普通の採血をするだけでわずか15分でより詳しい検査が出来る様になりました。クラミジア肺炎は、我々呼吸器感染症医にとって、長年ブラックボックスに入っていました。理由は様々ですが、現行検査の精度が低いのが最大の原因です。この調査をもとに、世界初のクラミジア肺炎迅速検査が一般に使用出来る様になり、全国の呼吸器科医の積年の不満が解消かれるかもしれません。マイコプラズマ肺炎とクラミジア肺炎の特徴は発熱と、頑固な空咳です。このような症状の方は、是非ご相談下さい。なお、クラミジア感染の検査は認可前ですので、検査費用は発生しませんが、同意書にご署名頂くこととなります。詳しくは医師にお尋ね下さい。
また、今まで診断の難しかった非結核性抗酸菌症にも新たな検査が加わりました。非結核性抗酸菌症は汚染された水を吸入して発症する慢性の肺炎で結核の仲間に分類されますが、他人に感染しないことや、多くは治療が効きづらいことなど結核と異なります。病気を持たない中年の女性を中心に近年増加傾向にある疾患で、診断が出来ないこともあり度々問題になります。今回、採血で最も多いMACと呼ばれる菌が約70%の感度で診断出来るようになったことは、大きな進歩です。さらに昨年より恐ろしい結核でも新たな検査が手軽に出来る様になり、鬼に金棒です。
以上、呼吸器感染症の分野では様々な検査が開発されて、より的確な診断が出来、治療に反映出来る様になって来ました。当院ではこれら新しい検査を駆使して、敵を見極めて治療を行っていきます。
この夏、猛威を振るっていた手足口病がやっと減少してきました(下グラフ)が、まだ安心は出来ません。今年は2011年に次ぐ大流行で、各種報道をご覧になった方も多いと思います。当院もTBS系列の『はなまるマーケット』や『ひるおび』の取材に協力しました。手足口病は5歳以下の乳幼児を中心に、手足や口の周りの発疹や咽頭の炎症が特徴で、のどの痛みによって食事や水分が摂れなくなってしまいます。原因はコクサッキーウイルスが多いとされていますが、エンテロウイルスでも発症します。この中でエンテロウイルス71型というウイルスでは、肺炎や髄膜炎を起こしてしまうことがあり、咳や嘔吐を繰り返す時は要注意です。残念ながら特効薬はなく、水分補給など対症療法が中心となります。接触感染を防ぐためにも、家族内での飲み物の回しやタオルの共有などに気を配る必要があります。成人発症では重くなることもありますので、要注意です。
一方、冬に流行するRSウイルス感染症が早くも流行の兆しが見えてきました。過去10年では最も早い流行で、注意が必要です。RSウイルス感染症は乳幼児を中心に流行する気道感染で、強い咳を特徴とします。残念ながらこちらも特効薬がなく、乳児で重篤化すれば入院が必要となります。保険診療のしばりはあるものの、迅速検査を使えば数分で診断がつきますので、ご心配の方はご相談下さい。
4月7日(月)16時53分〜19時のスーパーJチャンネルで副院長が小児の熱中症についてコメントする予定です。ご興味のある方は、ご覧下さい。
1月10日読売新聞夕刊に「日本脳炎の予防接種」が紹介され、当院も取材に協力しました。
また、ワクチンが多く混乱されているお母様が多くいらっしゃいます。
当院では、ご都合に合わせワクチン接種のスケジュールを立てますので、ご遠慮なくご相談下さい。
気温の低下に伴い、かぜと感染性腸炎が流行しはじめました。手洗いとうがいに心がけましょう。
11月14日はなまるマーケットで当院が紹介されました。
マイコプラズマ肺炎とRSウイルス感染症流行に関して、院長がコメントしました。
医師向けの感染症の専門誌『化学療法の領域』11月号に、「かぜ症候群の診断と治療」という題で8ページにわたり院長の解説が掲載されました。
『かぜは最もポピューラーな疾患ですが、小児や高齢者では思わぬ重篤な状態になります。
また、むやみに抗菌薬を投与することは薬剤耐性菌の原因になり、注意が必要』といった内容です。
平成24年9月1日より不活化ポリオワクチンの予防接種が始まりました。不活化ポリオワクチンは、クリニックに供給される本数が決められているため、お一人のお子様が3回確実に接種できるように予約制となっております。お電話でのご予約をお願い致します。その他の予防接種は、当日でもお受けしておりますのでクリニックに直接お電話ください。
また、毎月第1, 3火曜日14時~ 15時の時間に乳幼児栄養相談を開始しました。ミルクの量、離乳食の量、固さ、調理法などお子様によって悩みはそれぞれ違います。個別で専門の栄養士がお母様のお悩みに丁寧にお答えいたします。また、小児予防接種、健診は通常の診察時間には感染予防の観点より、個室をご用意して行っております。また毎週月、火、木14時~ 15時は予防接種、健診を優先に行っております。ご希望の方はお気軽にご相談下さい。
9月21日東京新聞朝刊の『小児ぜんそく』の記事に、副院長のコメントが掲載されました。右の画像をクリックして下さい。