小児の感染症(的確な診断が必要です)
CCDカメラ付き耳鏡
小児感染症の多くはウイルス感染症で、抗菌薬(抗生物質)の必要はありませんが、小児特有の感染症も多く、診断には経験が必要です。インフルエンザ、マイコプラズマ、溶連菌感染、RSウイルス、アデノウイルス、ロタウイルス、ノロウイルス感染は迅速検査が可能ですが、突発性発疹、水痘(水ぼうそう)、風疹(3日はしか)、麻疹(はしか)、ムンプス(おたふくかぜ)、手足口病、ヘルパンギーナは、迅速検査はなく、経過や症状や流行状況より診断して、治療や登校、登園の是非を判断します。ここでポイントになるのは、経過をみてよくなる感染症か、点滴が必要なのか、あるいは入院が必要なのかということです。当院では、感染微生物の迅速検査や尿、X線検査に加え、感染症の重症度判定には欠かせない『白血球、CRP』が約10分(外部委託だと半日以上の時間がかかります)で測定出来ますので、重症度が即座に判断出来ます。また、CCDカメラ付き耳鏡、オージオメータを使って、かぜから来る中耳炎も診断しています。当院では処置室のほか、個室や仕切った点滴スペースが5カ所ありますので、ゆっくり点滴が出来るだけでなく、ほかの患者さんへの感染が極力ないよう努めています。
成人の感染症(高齢者肺炎に注意!)
全自動血球計数器 免疫反応測定装置(白血球、赤血球、CRP)
成人の感染症も多くはウイルス感染症で、抗菌薬(抗生物質)の必要はなく、対症療法 (症状を和らげる)が中心となります。抗菌薬(抗生物質)が必要かどうかは、経過や診察での状態に加え、胸部X線や尿所見で判断します。成人の感染症で重要なのは、若い患者さんでは、強い咳が肺炎かどうか、長引く咳が結核やその他の病気であるかどうかです。高齢者や様々な病気を持っている患者さんの感染症では、ちょっとした症状しかないにも関わらず、実は生命に関わる重症な肺炎ということもあり、気が抜けません。当院では胸部X線に加え、肺炎球菌尿中抗原検査、マイコプラズマ迅速検査、『白血球、CRP』も約10分(外部委託だと半日以上の時間がかかります)で測定出来ますので、重症度(呼吸不全や意識状態、脱水なども重要)をその場で判断でき、殆どの肺炎患者さんを外来で治療することが可能です。肺炎に関しては学会の仕事(院内肺炎診療ガイドライン)もしており、何なりとお聞きください。また、腹痛や発熱の原因となる虫垂炎、胆のう炎、憩室炎、腎盂腎炎も、尿検査や迅速白血球、CRP検査、腹部X線検査、腹部エコー検査や外部委託のCTを当日行い、診断、抗菌薬投与を行います。入院が必要な場合でも、水曜日に診療している東京女子医大東医療センターほか専門機関への紹介もスムースに行います。
生活習慣病(症状がなくても治療が必要です)
高血圧、脂質異常症、糖尿病や喫煙は長年血管を傷つけ、恐ろしい心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。当院では、頚部エコーによるIMT測定、血管年齢測定を行い、治療の参考にします。血圧が高かったり、採血データがよくない、家族の中に心筋梗塞や脳梗塞の人がいる、IMTや血管年齢が異常な場合、将来のことを考えると、症状がなくても治療が必要となります。
タバコによる肺のダメージをみる肺年齢(呼吸機能検査)が高い場合、将来、在宅酸素にならないよう、息切れがなくても肺を守る治療が必要な場合があります。
最近は生活習慣病と言われている骨粗鬆症も、X線診断システムを用いた骨年齢で診断します。女性では、食事や運動、ホルモンの関係で、骨が男性以上に弱くなってしまいます。これが骨粗鬆症です。骨粗鬆症が進行すると、腰骨が曲がってしまったり、骨折しやすくなって、寝たきりの原因になってしまいます。自分の骨の状態を知り、症状がなくても、若いうちから予防や治療計画を立てることが重要です。