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呼吸器科/長引く咳 息切れ

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呼吸器科

呼吸器科

 最も一般的な症状は“セキ”です。咳が続くと学校や職場、電車の中でも白い目でみられ、辛い気分になる方も多いと思います。長引く咳は、気管支喘息や肺炎の他、時には結核や肺ガンもあり、心配は尽きません。しかし、一般検査だけでは分からない場合もあり、経験と専門的知識(日本呼吸器学会専門医、日本感染症学会専門医)が必要となります。当院では、胸部エックス線撮影、呼吸機能検査、酸素濃度測定、外部委託のCT検査(随時)、場合によっては、非常勤講師として勤務している東京女子医大東医療センターで気管支鏡を行い、より詳細に調べて行きます。気管支喘息や近年問題となっているタバコによる肺気腫なども早期に診断し、発作も点滴にて加療します。また、当院は区内では殆どいない呼吸器身体障害者福祉法15条指定医による身体障害者の申請が出来ますので、万が一在宅酸素になっても当院で申請が可能です。肺炎も救急採血や種々の迅速検査などで当日診断し、点滴加療を行うことで軽症肺炎なら通院加療で十分可能です。

 

(1)『長引く咳』について(気管支喘息、咳喘息、アトピー咳、後鼻漏など)

『長引く咳』について(気管支喘息、咳喘息、アトピー咳、後鼻漏など)

 かぜでも咳は出ますが、我々専門医が主に診察するのは、咳が3週間以上続く患者さんです。胸部エックス線やCTで異常陰影があれば診断の予測がつきますが、これで異常がなく、一般医の受診でも改善しなければ、呼吸器、感染症、アレルギー専門医の腕の見せ所です。診断と治療のためには、まず丁寧に今までの経過やお薬、生活環境に関してお話を伺います。その後、胸部エックス線を行いますが、異常がなければ、採血や呼吸機能検査、感染症の特殊検査、場合によってはCTを行うことがあります。これら検査で異常がない場合で最も多いのが、気管支喘息や咳喘息です。喘息は夜間に症状があっても、病院に来る日中には症状がなく、特徴的なゼイゼイする呼吸音は聞かれません。気候や環境で症状が変化するのも厄介ですが、最近はペットブームもあり、ペットよる咳も増えています。また、咳喘息は症状(咳)があってもゼイゼイする音は聞かれませんが、放置しておくと慢性の気管支喘息に移行しますので、注意が必要です。

 

一酸化 窒素ガス分析装置 ナイオックス VERO

一酸化窒素ガス分析装置
ナイオックス VERO

 H25年12月に待望の呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)測定が保健適応になり、当院でもH26年2月より測定が可能となりました。検査は10秒間(小児は6秒間)、一定のスピードで息を吐くだけで、簡単に測定が出来ます。呼気中の一酸化窒素濃度が高い場合、気管支など末梢気道での好酸球浸潤(アレルギー性炎症)があることを意味し、気管支喘息や咳喘息の可能性が高くなります。特に小児では、呼吸機能検査が出来ないこともあり、本機の導入で診断の困難な小児喘息の患者さんには大変有用な検査となります。また、治療によって値が低下することも知られ、気管支喘息治療薬の増減にも役に立ちます。現時点で本検査は明確な判断基準は確立されておらず、学会でも『十分な経験と知識を持った医師(日本呼吸器学会、日本アレルギー学会専門医等)が、対象となる患者の臨床症状や検査所見の情報を見極めた上で、好酸球性炎症の程度を推定するためにFeNO測定値を補助的な指標として用いるべき』とコメントにあるように、当院でも総合判断の一つと位置づけていますが、有用な検査であることに違いはありません。

 その他、アレルギーによるアトピー咳、鼻が原因の後鼻漏などが代表的疾患です。長引く咳は専門医が拝見すれば、多くの患者さんで診断、治療が可能です。長引く咳に患者さんは是非ご相談下さい。

 

 

(2)『長引く咳』について(感染後咳嗽/マイコプラズマ感染、百日咳など)

富士ドライケム IMMUNO AG1

 長引く咳の原因のひとつに感染後咳嗽があります。普通のかぜや気管支炎なら、咳はすぐ治りますが、マイコプラズマ、百日咳、クラミジアなどに感染すると咳が長く続くことがあり、これを感染後咳嗽といいます。
 
 近年流行しているマイコプラズマは抗菌薬耐性も増加傾向にあり、治療に難渋するケースがあります。マイコプラズマ感染は軽いのどの炎症から重症な肺炎まで起こしますが、他の病原微生物と異なり、病原体としての強さはさほどありません。問題は患者さんの体質によって症状が変化することです。肺炎のほか、気管支喘息や咳喘息を起こすことが問題となり、感染が良くなった後も咳が続く患者さんが後を絶ちません。当院では迅速抗原検査(当院ではH28年10月より富士フォルム高感度検査を導入)、発症より期間が経った時は抗体検査を行い診断をします。しかし、検査が陰性だからといって安心は出来ません。検査の精度の問題で偽陰性(本来感染していても陽性がでない)もあり、判断が困難な場合もあります
幸いこの分野は大学で臨床研究をしており、雑誌にも掲載(マイコプラズマ呼吸器感染症の迅速診断. 2004年刊日本醫事新報、イムノカード マイコプラズマ抗体検査は有用. 感染症診療のコツと落とし穴. 2004年刊、抗マイコプラズマ特異的IgM検査を中心に. 2005年刊呼吸器科)しています。ご質問があれば何なりとお聞き下さい。
 
 マスコミで話題の百日咳も侮れません。こどもの疾患と思われがちですが、大人では特有の症状を欠き、診断に苦慮することも少なくありません。百日咳の原因となる百日咳菌はすぐにいなくなってしまうため、培地と呼ばれるシャーレに直接咳をして、直ちに培養しなければ見つけることが出来ず、菌を同定するのは一般的には困難です。そこで採血の抗体値上昇で診断しますが、昔に射った百日咳ワクチンでも上昇しますので、簡単には診断出来ないというくせ者です。

  また、忘れてならない恐ろしい結核や結核に似た非結核性抗酸菌症も長引く咳の原因ですが、新しい検査も加わり、近年は診断精度がかなり増して来ました。これら感染症や長引く咳は専門医が拝見すれば、多くの患者さんで診断、治療が可能ですので是非ご相談下さい。

 

(3)『つらい鼻づまり』アレルギー性鼻炎について

『つらい鼻づまり』アレルギー性鼻炎について

 アレルギー性鼻炎の症状で『つらい鼻づまり』は、のどや呼吸器疾患を悪くさせる元凶です。我々、呼吸科の医師は鼻の病気を軽くみる(あまり気にしない)傾向にありますが、鼻をよくすれば呼吸器疾患もよくなることは度々あり、これらを重視する考えが『One Way, One Disease』です。すなわち、鼻と呼吸器はひとつの道でつながっているので、一緒に考えないと痛い目に合うという警笛です。私自身もずっとスギ花粉症の鼻づまりに悩まされており、何度も扁桃腺を腫らして大変な思いをして来ましたが、最近の薬の発達と経験で漸く、危ないステロイド注射など使わず楽な春を迎えられるようになりました。さらに、新薬の発売も相次ぎ、以前に比べ、良い治療が出来るようになって来ました。引き続き、誰よりもスギ花粉症の患者さんの気持ちがわかるアレルギー内科専門医を目指していきます。特に気管支やのどの弱い花粉症の患者さん、慢性アレルギー性鼻炎の患者さんには、花粉症を患っている専門医として、本やネットにはない適切なアドバイスがさせて頂けると自負しております。是非、ご相談下さい。