高血圧は健診や健康管理で、重視される疾患のひとつです。血圧は心筋梗塞や脳梗塞のリスクの中でも最も影響のあるもので、コントロール次第では発症や再発の確率が大きく変わって来ます。例えば、血圧が僅か2mmHg上がると、心筋梗塞が7%、脳梗塞が3%増加するというデータや、高血圧の人は、血圧130mmHg以下の人に比べ心筋梗塞死が4.8倍になるなど、血圧に関する恐ろしい報告が沢山あります。血圧は高くても、症状がない人が殆どですが、年余に渡る血圧の上昇は致命傷になりかねません。血圧の高い方には、心雑音(弁膜症)や動悸(不整脈)がある方も少なくありません。当院では、院内で必要に応じドップラー心エコーや、24時間心電図検査を行い、高血圧治療の計画を立てています。
また、循環器で最も重要な訴えに胸痛があります。胸痛は狭心症の典型的な症状のひとつですが、様々な原因で発生し、時には帯状疱疹(皮膚の病気)なんてこともあります。まずは痛みの長さや起こる時間帯など、丁寧に問診をさせて頂きます。必要に応じて、ドップラー心エコー、24時間心電図、外部検査機関と協力して心臓CTや心筋シンチを行い、心臓の周りの血管(冠動脈)の評価をします。ここまでは、全て外来検査ですが、さらに疑われる場合は、運動負荷心電図や心臓カテーテル検査を他の医療機関に依頼し、精査をして頂きます。胸痛=狭心症とは限りません。まずは、ご遠慮なくご相談下さい。